『氷の修行』 千差万別のいいっぱなし物語 ~語られなかった物語 2 パターンE リヴリー小説 [創作]
これは、友人のブログから頂いた文章をイメージで膨らませたものです。
以下、友人の許可を得てその文を転写させて頂きます。
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雪がどうしてあんなにもハッとする白さを放つのかを、ようやく彼は思い知り、歯と体を震わせたまま、あふれ出る涙を止める事ができませんでした。
以前別のブログで気まぐれでやっていたものです。
一行だけ描写をし、残りの前後は読み手にすべて補完してもらう千差万別のいいっぱなし物語。
なので一行の中にどれだけの情報量を詰め込めるか、どれだけ空気や温度を持たせられるかの挑戦でもありますねw
皆さんはどんな物語を読み解けましたか。
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さて、ここからみたび、もうひとつの物語が生まれました。
『氷の修行』
ムシチョウのノドくんは、その赤い羽根がとても自慢です。
なぜなら、その赤は、
彼が大好きな正義のヒーローを助ける、大きな鳥の色と同じだからです。
ノドくんはかっこいいヒーローになりたいと、日々こっそり修行を欠かしません。
それは暑い夏も、今日のように池に氷が張る日も同じでした。
今日も仲良しのトビネのイェルクッシェくんとノドくんは、
今年初めて凍った池へと修行にきました。
「この木から飛び降りてしゅたたんっ!て立つ修行だよ!
カッコいいポーズも忘れずにね?!」
話しながらもうイェルクッシェくんは、池のほとりにある大きな木の中ほどの枝に立っています。
「それ~っ!しゅやや~んっ!!」
イェルクッシェくんは足を前にしてしりもちをついたまま、
池の上をつーーっとすべってゆきました。
「あははははは!おもしろいなぁ!すべるすべる!」
イェルクッシェくんは元気に立ち上がるとまた木によじ登り始めます。
「それぇ~~っ!しゅやや~~んっ!!」
今度は腹這いのまま、お腹ですい~~っとすべってゆきます。
「あはははははははっ!」
木登りの上手くないノドくんもやっと木に登ると、えいっと飛び降りました。
すると・・・
ぴしぴしぴし・・。
足元から、不気味な音が・・。
「あ、あ、あ、・・」
ああ!なんと言う事でしょう。
トビネのイェルクッシェくんを支えた、今年初めての池の氷は
大きなムシチョウのノドくんを支えるには、まだ薄すぎたようです。
ばりばりばり。
ばしゃばしゃばしゃ。
ごぼごぼごぼ。
びっくりしたイェルクッシェくんが、助けようと駆け寄ろうとしますが
氷と雪のために、つるつる滑って上手くゆきません。
「ノドく~ん!しっかり~っ!がんばれ~~~っ!!」
ノドくんは一生懸命、割れた氷のふちに掴まろうとしますが、
手も足も羽根もきんきんと冷たく濡れて、痺れてうまくゆきません。
しかも薄く積もった雪も白く、氷も白く、
やっと掴まろうとしたノドくんの目測を狂わせ、拒絶します。
体中に無数の針を刺されたように痛くなってきました。
イェルクッシェくんが、氷の上をつるつると走りながら叫びます。
「がんばれっ!今、たすけにゆくよ!!たちあがるんだっ!」
声を聞きつけて、ノドくんは最後の力を振り絞ってたちあがりました。
・・・あれ・・?
なんと幸いな事に池の水は浅く、ノドくんの胸のあたりしかありませんでした。
びしょぬれになったノドくんはかちかちに凍りながら、ようよう木の根元に座り込みました。
「ノドくん、大丈夫かい?」
割れた氷の横を、そろりそろりと渡って来たイェルクッシェくんが、心配そうにのぞき込みました。
ノドくんはとぎれとぎれに言葉を切りながら、つぶやきました。
「修行、って・・・大変、なんだね・・。」
「ぼく・・・。目の前が…全部、まっしろでね・・・?なにが、なんだか・・・わからなく・・・なって・・ね・・?」
「うん。白は始まりの色なんだね!
だってお絵かきをする前の画用紙は真っ白だもの!」
「始まりと、おしまいって、おんなじ・・色・・・なのかな・・・?
だから、あんなに…みんな、真っ白・・・なのかな・・?
僕、もう・・おしまいかと・・・・おもったよ・・・。」
ノドくんはぽつんとつぶやきました。
「僕、ヒーローよりも、やっぱりヒーローを助けるトリさんでいいや。」
雪がどうしてあんなにもハッとする白さを放つのかを、
ようやくノドくんは思い知り、歯と体を震わせたまま、
あふれ出る涙を止める事ができませんでした。
以下、友人の許可を得てその文を転写させて頂きます。
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雪がどうしてあんなにもハッとする白さを放つのかを、ようやく彼は思い知り、歯と体を震わせたまま、あふれ出る涙を止める事ができませんでした。
以前別のブログで気まぐれでやっていたものです。
一行だけ描写をし、残りの前後は読み手にすべて補完してもらう千差万別のいいっぱなし物語。
なので一行の中にどれだけの情報量を詰め込めるか、どれだけ空気や温度を持たせられるかの挑戦でもありますねw
皆さんはどんな物語を読み解けましたか。
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さて、ここからみたび、もうひとつの物語が生まれました。
『氷の修行』
ムシチョウのノドくんは、その赤い羽根がとても自慢です。
なぜなら、その赤は、
彼が大好きな正義のヒーローを助ける、大きな鳥の色と同じだからです。
ノドくんはかっこいいヒーローになりたいと、日々こっそり修行を欠かしません。
それは暑い夏も、今日のように池に氷が張る日も同じでした。
今日も仲良しのトビネのイェルクッシェくんとノドくんは、
今年初めて凍った池へと修行にきました。
「この木から飛び降りてしゅたたんっ!て立つ修行だよ!
カッコいいポーズも忘れずにね?!」
話しながらもうイェルクッシェくんは、池のほとりにある大きな木の中ほどの枝に立っています。
「それ~っ!しゅやや~んっ!!」
イェルクッシェくんは足を前にしてしりもちをついたまま、
池の上をつーーっとすべってゆきました。
「あははははは!おもしろいなぁ!すべるすべる!」
イェルクッシェくんは元気に立ち上がるとまた木によじ登り始めます。
「それぇ~~っ!しゅやや~~んっ!!」
今度は腹這いのまま、お腹ですい~~っとすべってゆきます。
「あはははははははっ!」
木登りの上手くないノドくんもやっと木に登ると、えいっと飛び降りました。
すると・・・
ぴしぴしぴし・・。
足元から、不気味な音が・・。
「あ、あ、あ、・・」
ああ!なんと言う事でしょう。
トビネのイェルクッシェくんを支えた、今年初めての池の氷は
大きなムシチョウのノドくんを支えるには、まだ薄すぎたようです。
ばりばりばり。
ばしゃばしゃばしゃ。
ごぼごぼごぼ。
びっくりしたイェルクッシェくんが、助けようと駆け寄ろうとしますが
氷と雪のために、つるつる滑って上手くゆきません。
「ノドく~ん!しっかり~っ!がんばれ~~~っ!!」
ノドくんは一生懸命、割れた氷のふちに掴まろうとしますが、
手も足も羽根もきんきんと冷たく濡れて、痺れてうまくゆきません。
しかも薄く積もった雪も白く、氷も白く、
やっと掴まろうとしたノドくんの目測を狂わせ、拒絶します。
体中に無数の針を刺されたように痛くなってきました。
イェルクッシェくんが、氷の上をつるつると走りながら叫びます。
「がんばれっ!今、たすけにゆくよ!!たちあがるんだっ!」
声を聞きつけて、ノドくんは最後の力を振り絞ってたちあがりました。
・・・あれ・・?
なんと幸いな事に池の水は浅く、ノドくんの胸のあたりしかありませんでした。
びしょぬれになったノドくんはかちかちに凍りながら、ようよう木の根元に座り込みました。
「ノドくん、大丈夫かい?」
割れた氷の横を、そろりそろりと渡って来たイェルクッシェくんが、心配そうにのぞき込みました。
ノドくんはとぎれとぎれに言葉を切りながら、つぶやきました。
「修行、って・・・大変、なんだね・・。」
「ぼく・・・。目の前が…全部、まっしろでね・・・?なにが、なんだか・・・わからなく・・・なって・・ね・・?」
「うん。白は始まりの色なんだね!
だってお絵かきをする前の画用紙は真っ白だもの!」
「始まりと、おしまいって、おんなじ・・色・・・なのかな・・・?
だから、あんなに…みんな、真っ白・・・なのかな・・?
僕、もう・・おしまいかと・・・・おもったよ・・・。」
ノドくんはぽつんとつぶやきました。
「僕、ヒーローよりも、やっぱりヒーローを助けるトリさんでいいや。」
雪がどうしてあんなにもハッとする白さを放つのかを、
ようやくノドくんは思い知り、歯と体を震わせたまま、
あふれ出る涙を止める事ができませんでした。
ノドくんとイェルクッシェくん、かわいいですね~(*^^*)
ヒーローになるために日々こっそり修行をかかさないとは!
ノドくんが氷の張るほど冷たい池に落ちた時はハラハラしましたが、無事で良かったです^^
始まりとおしまいが同じで真っ白!
そうかもしれないと思いました。
takehikoさんは慌てて目の前や頭が真っ白になったことはありますか?
私は今の仕事を始めて一年半くらいになりますが、その前は約6年ほど家でぼーっとしてました。そのせいか仕事のスピードについてゆけず、突然頭が真っ白になるという状況を初めて経験しました^^;慌てれば慌てるほど真っ白になるんですよね;;
うんうん、ノドくんが無事で良かったです…^^
by LAYLY (2014-11-30 19:02)
>LAYLY さま
ちょっと強引に持って来すぎたお話しになってしまいましたねw
ひとの書かれた一文からお話しを紡ぎ出すのは、わくわくしてしまって
どのくらい書けるものかな、と試させていただきました^^
僕はパニックをよく起こします。
パニックと言うのは、思考の暴走・・なのかな。
だから真っ白、というよりも
以前の記憶や恐怖で頭の中がいっぱいになっちゃう感じかな。
反対にまったく無くなってしまって真っ白になったのは
頭が考える事を放棄したときでした。
物事が自分の思うように上手く出来なくて、慌て過ぎてしまって・・というのは
あまり経験がないかな・・?
失敗したり、ものを無くして探して大慌て、と言うのはしょっちゅうなのですが
むしろその自分を結構面白く観ている第3者でいる気がしますw
by takehiko (2014-11-30 20:23)