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生きていてありがとう。(東北関東大震災によせて) [雑記]

全てが想定外から始まった今回の震災でした。

ほんの数分の大地の揺れによって、
破壊しつくされてしまう文明、
奪われてしまった家族や友人との当たり前と思っていた生活
その理不尽さ、無情さ。

瓦礫の中、流された車の中、海岸の水だまりの中
ようやく見つけた懐かしい、大切な者の変わり果てた姿を
埋葬する事も叶ず、何日も身守らねばならぬこの現実。

見つかったものはまだいい、という慰めにもならない言葉も
ため息まじりに交わされてくるようになりました。

今まで共に生きてきた者にとっては
喪われた者の大きさは、消せるものではないでしょう。
でも彼らが遺してくれたもの、与えてくれたものもまた
あなた方の中で決して消える事無く生き続けているはずです。
それと共に、どうか生き抜いて下さい。
ご自分を慈しむ事は、
あなた方の中の、その愛しい者たちを慈しむ事だと思います。

この成熟期を迎えたと言われる豊かな現代において
かくも残酷な、かくも哀しい現実に向いあっている、多くの僕らのはらからたち。
この未曽有な災害を生き抜いてくれた事に、僕は感謝します。
この苦しみを、痛みを、胸をえぐる悲しみを
震災の起こる以前のたくさんの笑顔と共に、
これから生きてゆかねばならぬ未来の子供たちの為に
どうかこの先伝えていってあげて下さい。

あなたがたの知恵も勇気も哀しみも
これから世界中に起こるかもしれない更なる災害の
大いなる砦となり 助けになり、
多くの救いとなるはずだと思いますから。


未だ見つけることの出来ない、僕の親族たちの想いも込めて

生きていてくれてありがとう。

あの美しかった町を楽しかった日々を
共に生きてきた時間を
いのちを繋いでくれてありがとう。

あなた方のこれからの道は、未だ困難と茨の道であるかもしれない。
喪ったものの代わりになるものは、何もないかもしれないけれど
これからは、もっと多くのこの国の人々と共に歩んでゆく事ができたらと願う。



それがたとえ小さな歩みだとしても。

これからは、沢山の幸運があなた方と共にありますように。






懸命に不眠不休でそれでも僕の親族を探してくれている方々。
ただ家族のもとに返してあげたいと、それだけの気持ちで動いてくれている多くの人たち。

その方々に心からの感謝を捧げつつ。
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xephon

当事者にしかわからない痛み苦しみなどあると思います。
どんな言葉を連ねてもきっと僕では対岸の言葉になってしまうのだろうなとも…。

せめて今、被災地でがんばっている方、あるいは犠牲になった方々のお身内の心が安らかでありますように。

by xephon (2011-04-24 21:56) 

takehiko

>xephon さま

いつもあたたかいコメントを、ありがとうございます。

亡くなったものは帰りませんし
何代もの時をかけて築いてきた生活は、
そう簡単には元には戻らないものでしょう。

でも、僕らはまだ生きています。
生きている限り、前に進んでゆきたい。
足を止めてしまうのは、痛みではなく絶望です。
せめてマイナスから始めなくてはならない人たちに
ほんの少しでも希望の持てる政策をと、願わずにはいられません。

僕も沢山の方から声をかけて頂きました。

「負けないで」「がんばれ」「見つからないうちは生きているかもしれない」
どの言葉もこれ以上頑張りようのない僕には、辛い時もありましたが
励まそうと思って下さっている皆さんの暖かさは
胸にいつまでも残っているものです。

でも言葉を詰まらした僕をみつめて、
にっこりとほほ笑みながら、
「元気をだしてゆこうね」と言って下さった
職場に来て下さったご老人の労わりの言葉は
頑張らなくちゃいけない、負けちゃいけないと、
気を張り続けていた僕の肩の力を、ふっと和らげて頂くものでした。
今でも挫けそうになった時は、その笑顔を思いだします。

人の言葉の重み、暖かさ、力を
僕はこの震災で改めて学ぶことができました。

by takehiko (2011-04-24 23:27) 

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